「こんなに情熱をこめて作ったのに、どうして売れないんだ?」
商売をしていると気づくことがあります。
「同じ商品なのに、どうして売れないのだろう」というものと逆に、
同じ商品なのに、「めちゃくちゃ売れてしまうもの」もあります。
例えば、本は、ほとんど同じ内容を書いて出版しても、
ベストセラーになる場合と、まったく売れない場合があります。
住宅もそうです。まったく同じ家でも、
お客が行列を作るときと、そうでないときがあります。
なぜ、このような差が出るのでしょうか?
実は、売れる商品には、売れる匂いというものがあるのです。
売れ行きと品質は必ずしもイコールではありません。
本であれば、「中に書かれている内容がすばらしければ売れる」
ということは幻想です。
本の売れ行きを左右しているのは、
単なる評判であったり、体裁の派手さであったり、
書店で見やすいところに山積みされているから。
著名な人間が書いたなど、
中に書かれていることとは、別次元の問題なのです。
ものを売るのが上手な人というのは、
売れる匂いを作るのが得意です。
・商品をどう包装するか
・どう並べるのか
・ポップにはどんな一言を添えるか
・顧客になにを語らせてお客の声とするか
・広告宣伝ではどんなメッセージを伝えていくか
・集まった見込み客に出すDMではどんな工夫をするか
などです。
商品からマーケティングまでを視野に入れて
「これなら売れるぞ!」と思える、匂いを作っていくのです。
そのためには細部にこだわり、徹底的に検討し合い、
作ってみてはやり直します。
すると、売れる匂いが出てきます。
そして、自分に究極の質問をしてみるのです。
「自分の人生が、この商品にかかっているとしたら、何をするか?」。
すると、「こんな感じでいいや」と見切り発車することはなくなるはずです。
商売をしている人の多くの人が、
「今売っている商品はこれで大丈夫」、
「売り方も問題ないはず」
と、自分で自分を納得させています。
見直しをすると、新たな仕事が発生するので、
見て見ぬ振りをしているのです。
まずは、パンドラの箱を開けてみる。
そして徹底的に検討しなおす。
これが売れる匂いを作る、第一歩になります。